東の国の産科話

産科医絶滅史22巻〜たられば名医は現場に来ない〜から、「東の国の産科話」

(改行位置だけ引用者が改変した)

http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1163171071/17-41

17 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:12:29 id:JGTTCVH30
この国の行く末を憂ひ、
つれづれなるまま、書ひてみんと欲す。
東雲 新彦

【第一話】東の国の産科話 
(この物語は完全なフィクションです、登場人物や
団体名は実在しない架空のものです。)
かってある東の国が貧しい時代、商輪25年頃(今から約60年前)
の話です。自宅・助産院で出産する人は95%。医院・病院出産
比率は5%。産科医担当の出産はごく一部の裕福な階級の妻に
限られてました。かって、自宅助産院分娩と産科病医院分娩は
住み分けが有りました。
(第2話へ続く)


18 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:14:21 id:JGTTCVH30
【第二話】
開業助産師は己で生計を立て、協調性ある助産師は病院で
働き、産科医も助産師を良きパートナーでした。
開業助産師の陣痛促進剤の闇使用も委託医はかばいました。
自然では有効陣痛が来ない事例も知っていたからです。
世の中は貧しく、妊婦死亡はありましたが、補いあい赤ちゃん誕生を皆でお祝いしていました。
(この物語はフィクションです、第3話に続く)


20 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:15:53 id:JGTTCVH30
【第三話】
当時も医師は生身の体、睡眠時間も必要でした。
出産数も一晩で20人以上ありました。1人が4〜5人
生む時代。医師はおろか、助産師も足りません。
看護師も、非侵襲的な内診を習い、診察を補助し連携しました。産婦一人で自宅出産もありました。
生きる妊産婦、死亡する妊産婦、自然の掟でした。
1年に4,000人の妊婦が(176.1:出産10万対)出産で
亡くなりましたが新聞記事になりませんでした。
記者も医師も崇高な志の職業で、美しき時代でした。
「知らないから書かない」は皆無、記者といえば
当時はみな勤勉で優秀でした。


21 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:17:24 id:JGTTCVH30
【第四話】
助産師不在時、看護婦も診察補助で進行具合を報告しました。
助産師も(当直が回らず)看護師もパートナーでした。互いに
補い、看護師は1期の終わり(全開)に医師を呼びました取り上げ行為は医師がやりましたが早めにドクターを呼び、医師本人が分娩介助するので事故は助産師よりかえって少なくコントロールされました。
(この物語はフィクションです、続く、第5話に続く)


22 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:19:17 id:JGTTCVH30
【第五話】
助産師は最終手段(帝切)は出来ません。分娩時一部に
無茶する人はいます。仮死、羊水混濁、感染出血性ショック子癇事故etc.が絶えません。陣痛促進剤は表向きは使用不可ですが
他の科の委託医から薬を譲り受け、闇で使い、子宮破裂の事故や過期産での巨大児は肩甲難産で腕神経の引き抜きもありました。
整形先生も真剣に治療(不治ですが)を尽くし助けあう時代でした。
訴訟なんか無く、皆がお互いの人生を伸ばしあったのです。。
(物語はフィクションです、 第6話に続く)


23 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:26:32 id:JGTTCVH30
【第六話】
超音波も無く推定体重も出せない時代、裂傷縫合不能な彼女らは会陰保護と称し赤ちゃんがとび出さないよう子宮口を押さえ裂傷に気を使いました。脳性小児麻痺もしばし作られました。
当時は「弱い赤ちゃん」助産師の熟練話術で解決しました。
(物語はフィクションです、第7話に続く)


24 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:30:52 id:JGTTCVH30
【第七話】
助産師はトークは医師より数段上手でした。
産婦と接する時間が多く障害をつくっても、当時は平和でした。
当時の医者はしばし怒鳴りますが、助産師を育てる為でした。
時代は閉製に変わりました。
ある助産師あ○み〇かは指導に非難されたと腹を立てました。
自分が厚生省に入り医師への復讐機会を待ったのです。
この助産師は産科医の娘でも、何故か医者になれません。
特に父や産科医師全体に憎しみを抱いていたのです。
(物語はフィクションです、第8話に続く)


25 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:32:40 id:JGTTCVH30
【第八話】
人々の考えは賢く変化。閉製15年には自宅・助産所の分娩者は
自然盲信派1%以下に減少。助産師主導の活躍場所が1%です。
99%の分娩が、現代の産科医管理の出産が主となり助産師の
働き口は皆無でした。東の国でも国民は勉強し、衛生面や
安全面に問題のある自宅・助産所希望が無く、実質消滅しました。
助産師圧力団体(構成員で産医の2.5倍以上の集票力)は動きます。
このままではイケナイ!焦りが始まりました。
(物語はフィクションです、第9話に続く)


26 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:35:00 id:JGTTCVH30
【第九話】
助産師は実際に、病院に留まるばかり。更に
女性は子供を産まず、圧力団体危機感は募る一方です。
団体は考えました。これは看護師が悪い。助産師は看護師を
産科病棟から締め出し、業務の独占主導権を握ろうと。
まず準看護師を目の仇にしました。その為には看護師と
仲の良い医師も仇です。団体は反医師分子を厚労省で課長に
させました。あ○み〇かです。南NO参議員が団体代表でした。
(物語はフィクションです、人物や団体名は架空です。
第10話に続く)


27 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:42:35 id:JGTTCVH30
【第十話】
中花国主席の「東の国は20年後アジアから無くなる」発言が
ニュースで報道されました。特殊機関が痔明党の盛派、南NO議員を
起用に動いたのか、或いは核開発中の某国破壊工作員が加担
し、阿左非新聞や魔胃二血の記者を利用したか、定かでは
ありません。うかつに。。の「み〇か」が、工作員接触作戦関与したか、利用されたのかは内閣調査室 も情報収集中ですが、表向き個人問題と開き直られました。核開発国も早くから
彼女らに目をつけ計画を企んでいたのかも知れません。
(フィクションです、登場人物団体名は架空のものです。
第11話に続く)


28 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:44:30 id:JGTTCVH30
【第十一話】
それは突然に。。。
閉製14年11月5日、用意された質問状が球衆の保健所から突如出ます。
内診し異常の有無を判断は、違法ではないの?という内容です。 
厚労省の看護課長が答えす。「貴下の言うとうり」。
内診は診断の補助だからOKなんだけど、異常か異常でないかの
判断はやっちゃだめよ。法律は商輪23年から変っていません。
混乱は起きません。人の良い医会の会長坂〇さんは、ご丁寧に
「判断はだめよ」と通達遵守を医師に呼びかけたのです。
この事が「産婦人科医会は通達を容認した」と
助産師協会は更に曲解、調子に乗り不可解行動に出たのです。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。12話に続く)


29 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:46:17 id:JGTTCVH30
【第十二話】【60年間変らなかったものが。。。急に】
閉製16年9月13日、厚労省の看護課長から一通の声明文が出ます。
「内診は東の国保助看法第5条に規定する診療補助に該当せず同法第3条に規定する助産に該当すると解する」と法冶国家
に関わらず、国会や裁判所の手続き無しで一課長が通達した
のでした。内閣や大臣ならぬ、唯の一課長通達でした。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。13話に続く)


30 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:50:45 id:JGTTCVH30
【第十三話】
自衛隊を国会で論議前に、「自衛隊憲法違反と解するので
武器、車両、船舶、航空機、通信、レーダー装備は使用は違反北国核開発調査に自衛隊機を使うことはまかりならん」と
防衛省の一課長が、突然勝手に通達したらどうなるでしょう。
大混乱ですね。それと同じことが産科の現場でおきます。
助産師協会はマスコミ発表会を設け、法的定義がない「助産
という言葉を使用し無資格・分娩介助とを混同させようと
記事を書かせます。恣意的か、不勉強なのかを南NO議員み〇か課長に問う記者は何故か皆無でした。記者は潜入工作員
朴の操りだったのです。横歯間穂利病院事件の被害者?夫も
マスコミ(魔位弐置)関係でした。
(フィクションです、人物・団体名は架空です。14話に続く)


31 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:54:32 id:JGTTCVH30
【第十四話】【権利争いに対する憂い】
助産定義は一部記者は理解できず、優秀記者なら両方の解釈
を記事にすべきところですが、スクープ重視感情論調で書きました。
往生際が悪い医師会と印刷しました。(もはや亡国の記者でした)
「産科医会の紳士的通達」も更に助産師協会は、完全勝利と
曲解を与えました。
現実は東の国を20年後の消滅へと急速に加速させて行きました。
実際に、ハイリスクの尻を拭くのは医師なのに、助産師のみが
利権を取ろうと無茶をし、外国の工作員の世論操作にも乗せら
れたのです。勤勉医師モチベーションは極限まで下がりました。
究極のHigh Risk , Low ,No return ですから。。
(フィクションです、人物や団体名は架空です。15話に続く)


32 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:57:03 id:JGTTCVH30
【第十五話】【助産師に対する憂慮】
内診を看護師から完全に取り上げます。閉製18年統計で
東の国の現役産科医は17年から800人減って減って10,600人
しかいません。。現役助産師は25,257人でした。
分娩施設は3,063施設。
(内病院(20床以上)が1,280カ所、内診療所(19床以下)
が1,783カ所)統計に入らない助産所が257ヶ所でした。)
病院も大変ですが。施設数が47%で年間54万件の出産担当の19床以下の分娩診療所1783カ所は大混乱です。
工作員は核もミサイルも使わず目的遂行したのです。
(フィクションです、人物や団体名は架空です。16話に続く)


33 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 01:58:53 id:JGTTCVH30
【第十六話】【ある試算】
「分娩施設は看護師×助産師のみ〇」をを満たすとします。
1施設8人で計算します。(助産師4人位では、24時間365穴無し体制は組めません。医師と違い助産師は労働基準法で守られます。
算数です。診療所で1783×8=14,264人要ります。統計上4,111人の現役助産師が診療所勤務しています。14,264-4,111=10,153人不足です。
就業助産師は統計上、年300〜400人増加します。
助産師協会は、山児〇夫座長(これでも某大教授)検討で不足無しと述べますが、不充足は誰の目にも明白です。潜在助産師は現場に戻りません。その一方助産師学校の年限を6ヶ月→2年に延長を可輪先厚労大臣に要望など、不足に拍車をかける不可解要求ばかり国にするのは助産師協会でした。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。17話に続く)


34 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:01:31 id:JGTTCVH30
【第十七話】【東国の実際の助産婦養成所の話】
この国で助産師学校で必要な単位を取得し国家試験を受験までに10例+αの出産を取りあげる実習が必須でした。しかし。。
閉製のこの少子化時代、実習中で10例の出産立会いこそが難しい事でした。医療施設の助産学生受け入れに限界があったのです。
助産学校や4大の助産師養成課程の定員は10〜20名程度でした。
10名以下定員もあります。4大入学して必要数の出産介助ができる保障は無いのでした。4大看護学校合格は、看護師と助産師と保健師の資格が取れると思って合格しても実は幻想でした。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。18話に続く)


35 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:04:57 id:JGTTCVH30
【第十八話】
看護大学に受かろうとも、受験資格を制限する仕組みは国民は知らず、4年制看護大学入学者さえ、産科実習で初めて知ります。
この国の産科は詐欺状態でした。内診資格を与えないのは、実は助産師数が足りていると言うのは嘘で、自らの利権確保が必要だからです。
男性は助産師学校には入学でき、優秀なら卒業できます。しかし。
受験資格が与えられないように改正に圧力をかけているのも実は助産師協会でした。新聞もかって男女差別も取り上げることはありませんでした。(聾唖者の受験資格改正は取り上げましたが。。)
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。19話に続く)


36 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:08:14 id:JGTTCVH30
【第十九話】
東の国を亡国へ進ませる破壊行動は着々としっかり進みます。。
核無しで進行しました。助産師も、本当は単純に妊婦観察の場から看護師を排除し、診療所を閉鎖させ、助産所や院内助産所を再興し仕事場を確保が目的でした。野望は達成可能に見えましたが国自体が危なくなったのです。東国破壊工作員は確実に任務を遂行し東の国滅亡は時間の問題でした。
ミサイルも無しで。援助無しで。経済封鎖中でも。冷静にそして沈着に
。。point of No return 。。。へと作戦は進行します。
「看護師にこれまでどうり内診資格がある。」と判断の見直しか、男性助産師学校卒業者や経験看護婦に助産師資格を早急に与える方法しかありません。が無脳な政府首脳は助産協会を恐れ、出産補助金アップと不妊助成金でお茶を濁しましたのです。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。20話に続く)


37 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:11:23 id:JGTTCVH30
【第二十話】
公立病院は限界状態。診療所から流入お産は引受けられません。
診療所閉鎖で公立病院オーバーワークが壊滅状態と変化、医師退職を一段と加速させました。一流の臨床産科医師1人を育てるのには6〜10年かかります。1次2次3次システムを構築するのには30年は必要です。
公立病院は修復は不可能で手遅れでした。定年直前の老医師と研修医、女医が残りました。技術は途絶したのです。
ミッドウェー海戦で優秀なパイロット、空母搭乗員を失った後のかっての日本海軍と 東の国産科界は同じ運命をひた走ります。
不法労働を盾に一部はゲリラ的レジスタンスを試みましたが、反逆の烙印をおされ、退避が遅れた医師は息絶えました。
わずかな危険予知した産科医のみが、技術を伝承の為、自らと愛する家族を守る為、公立から避難したのです。迫害を恐れ
第二次大戦中亡命した科学者のように。。。
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。21話に続く)


39 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:19:10 id:JGTTCVH30
【第二十一話】
東の国の全国の国公立病院では張り紙がだされました。
「(お知らせ):産科診療方針の変更について 平素より当院の運営に多大なるご理解と協力を賜り深く感謝申し上げます。
さて本年4月7日の産婦人科学会より『ハイリスク妊娠・分娩を取り扱う病院は、3名以上の産科専任医師の常勤原則とす』と提言がありました。検討の結果、通常分娩において、常時複数の産婦人科医師下での分娩が望ましいと結論しました。
つきましては、以下の如く診療方針の変更を致します。(続く)
(フィクションです、登場人物や団体名は架空です。22話に続く)



40 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:20:22 id:JGTTCVH30
【第二十二話】
(お知らせの続き)
つきましては、以下の如く診療方針の変更を致します。
閉整18年12月末をもち、当院で実施しておりました分娩取り
扱いをすべて中止させて頂く事とします。(なお健診は従来通りです)
分娩のみ、患者様の希望の病院・医院へ紹介をします。
院内助産リスク管理が他科医で出来かねますのでいたしません。
長年にわたり産科をご利用いただきましたことを、職員一同 心より深く、深く、感謝申し上げます。病院長より」
(フィクションです、人物や団体名は架空です。第23話に続く))




41 :卵の名無しさん :2006/11/11(土) 02:30:01 id:JGTTCVH30
邪魔が入りました。23話は次回にします。。
工作員か。。。。


http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1163171071/238-259

238 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:24:33 id:qWxcwX+Q0
>>17 この国の行く末を憂ひ、
つれづれなるまま、書ひてみんと欲す。

二十三話〜少しだけ昔の昔の話に付き合って下さい。
産科医、他科医、助産師、看護師、官僚、法曹界、記者、マスコミ関係
その他の方も


239 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:25:09 id:qWxcwX+Q0
【第二十三話】一体何者か〜 近世から
物語はやや難解ですが、敢えて脱線します。第八/九話での危機感を理解するには東の国の更に昔の歴史も知る必要があります。
歴史を知れば、少しづつ東の国が見えてきます。
東の国「産婆」から話を始めます。産婆は一体何者なのか?
人が世に生まれ出る時に出産に立ち会い、子供をとりだす今でいう出張助産師です。近世,絵度時代の身分制度の中で賤民身分の代表は穢多・非人でした。北陸では「藤内」(トウナイ)という賤民が有名です。「藤内」は男性は乞食を統率し,女性は産婆でした。
「藤内」に限らず不浄な穢れた職業とされ近世では賤民の仕事でした。
悪霊を除く呪術を生業の専門とする産婆もいましたが省略します。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。24話に続く)



240 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:25:51 id:qWxcwX+Q0
【第二十四話】
東の国が命治時代となると、国家目標は、近代国家になる為の整備でした。
産婆等の助産職を「富国強兵の一原素たる産児の生命を司る至重の職業」と整備し高死産率と乳児死亡率、妊産婦死亡率を下げること,もう1つが堕胎を防ぎ,国力増強の為に、人口確保が必須でした。判り易く言うと命治時代になり近世まで無茶区茶の産婆を排除し取締まり医師が欧米列強に負けない教育を施し、教育を受けた新産婆を養成する。これが国の方針と一致、富国強兵近代化へと邁進するのです。最初の規制は1867(命治元)年12月24日発布の産婆取締規則といわれています。何故、産婆を取り締まるか次回説明します。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。25話に続く)



241 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:26:26 id:qWxcwX+Q0
【第二十五話】
命治の新産婆は近世と異なり、生命に関わる重要職とし、売薬や堕胎不許可でした。
其の命治時代のうねりの中で当時の産科医は産婆(助産婦)をどう捉え、また期待したかが資料で判ります。「助産之栞(東の国)」(1896-1944)創刊号巻頭「助産婦の改良に就て」と題す論説で、緒方〇清は述べます。「抑も助産婦の業といふ者は、学問と実地とどちらも必要なる、医師は軽々。(中略)、政府も亦厳重なる法令を出さず随て世人の注意を喚び起すことなく殆んど無頓着なる有様は殊に心外の事ではありませんか。(後略)と西洋からの遅れを嘆いています。
西洋医学を学んだ新しい産婆を養成する為に産婆養成所が作られ始めました。やっと大都市では1876(命治9)年に開校、でも地方はまだまだの時代でした。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。26話に続く)



242 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:27:09 id:qWxcwX+Q0
【第二十六話】
緒方〇清と共に助産婦教育に活躍した高橋辰〇は新産婆学校の卒業式演説で「我新潟〇市の如き25年度の調査に依りますと、生産1398に対する死産の数は201の割合でありまして、凡そ七分の一の多数を占めて居ります。
そこで熱心に助産婦の改良を謀り之れをして漸に進歩させましたならば其死産数をして三分の一若くは半ばに減却させますことは容易でありませう」と新産婆の卒業生に大きな期待を寄せていることがわかります。産科教育をする医師にも官僚にも大きな大きなロマンを感じる時代でした。医師、産婆、官僚だけでなく、経済界、学生含め東の国民すべてが満たされなくともワクワクし、生き生きした時代でした。
(物語はフィクションです、登場人物名や団体名は架空です。27話に続く)



243 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:34:40 id:qWxcwX+Q0
【第二十七話】
高橋は反面「助産婦取締法の必要」と題し「我、新潟〇県産児の死亡率明治28年中生産児1439人死産児235人にして100人中16人、凡そ6人に就き一人の割合なり。
是れ主に助産婦の注意足らずして死産を遂げしめたるの責免るべからず」として出産の場における助産婦(旧産婆)責任を強く追及します。 
緒方も高橋も、乳児死亡率及び妊産婦死亡率の低下の国家目標の実現の為に新産婆(助産婦)教育に早くから熱心に関わる人でした。高い死亡率の原因は旧産婆(助産婦)にあるとし、強く攻撃もしたのです。当時の死産率がもの凄い数値かが判ります。近代化と言えど旧産婆の不満顔は容易に想像されますが産科医の信念がそうさせたのです。良質な新産婆にはわかっていました。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。28話に続く)



245 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:35:20 id:qWxcwX+Q0
【第二十八話】
経験知識だけで助産をする産婆を排斥し、教育を受け常に新しい情報摂取に努める新産婆(助産婦)を育てる事が教育の使命と当時の先進的産科医は考えたのです。
低かった新産婆(助産婦)の地位や偏見はここから向上していきます。旧産婆の責任を追求・排除し、良質な産婆、教育を受けた産婆を輩出は国の方針と成ります。其の動きは、産婆名簿に登録を受けた新産婆を信頼される地位へと次第に上げたのです。経済的にも恵まれ、一般家庭では無い大変珍しい電話が助産所にあったりしました。
産科医は少なく、5〜20駅先に1医院時代でした。戦前まで正常産は産婆(助産婦)が、難産は医師にという棲み分けが明確でした。保険制度は勿論ありません。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。29話に続く)



246 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:36:38 id:qWxcwX+Q0
【第二十九話】
産科医の診察は、裕福な家庭の婦人のみで、医院を選ぶことなどできません。
経済的に産科医にはまず診てもらえません。助産師も、医師と連携が緊密にあり産科医も文句も言わず応え、お金も受け取りません。当時お金持ちから多額の診察費を実費でもらうので、貧乏人の患者からは診ても金銭を取らずにすんだのです。格差はあっても社会が吸収する時代で心も皆暖かかったのです。
保険請求もないので、医者は自由に料金を決められし。保険は必要性は感じられなかったのです。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。30話に続く)


247 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:37:29 id:qWxcwX+Q0
【第三十話】
医者が選べないなんて子供のように駄々をこねる大輪打芸人はいません。
政府が女性の生み育てる環境を整えようという運動はありません。
女性が安心して働ける環境整備に予算援助もありません。不妊治療助成も勿論しませんでした。政府がしたことは1人以上の多出産夫婦の表彰です。
(賞状とメダル、金一封で済みます)。当時も今と同様、かなり国家予算は限られてました。しかし人口と国力は増え続けます。沢山の国の宝赤ちゃんをしっかり、生んで育ててくれる自立した女性がいたからです。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。31話に続く)


248 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:38:12 id:qWxcwX+Q0
【第三十一話】
国民は自らの危険回避で1姫2姫3用心、つまり東の国のサムライの知恵が受け継がれていたのです。戦争の為、赤字国債は出しましたが不相応な贅沢や、何もかもが国の責任と言う人もいません。金が無いからなんていう人もいません。自分のことは自分でできる。夫婦の責任を他人の責任にする事はない、自分の子供の不幸をネタに一角千金狙いの出喪戸明未プロ市民なんてない、この東の国は将に、将に世界が認める有数の貧しいが、本当に、本当に美しい国だったのです。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。32話に続く)



249 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:38:57 id:qWxcwX+Q0
【第三十ニ話】
重複しますが正常産は新産婆(助産婦)が難産は医師という棲み分けが明確にありました。それは世界大戦終了まで体制は続きます。現代の様に帝王切開に保険適応はありません。治療費は言い値で所得に応じて決められました。貧乏人は安く、高額所得者は高くでした。助産婦医師どちらも忙しいが働き甲斐のある仕事と言えました。訴訟がないので助産婦に全部まかせて良かったのです。当時の助産婦は今と違い、経験数が恐ろしく多いので、勘がさえてます。事故も経験する反面、異常正常が本当に判るのです。数千例でベテラン気取りの現在の助産師とは比べ物にならない勘をもち、頭も良く、素晴らしい人格の持ち主が多いのも特徴でした。(現在は女性が助産婦より能力発揮できる職種は数え切れない程ありますが)当時は離婚しても、死に別れても、女性が媚び諂いなく男性と同等以上に堂々と食べていける唯一の資格として貴重だったのです。生めや増やせよの時代ですが、産科医や産婆、看護師は大変忙しく大変な日々が続きます。戦地へ医師が召集された後も産婆はや看護婦は頑張ってくれてました。年輩産科医らは全てそう言いいます。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。33話に続く)


250 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:44:03 id:qWxcwX+Q0
【第三十三話】
実は第二次対戦中の東の国には二つの原子爆弾開発計画は存在しました。
陸軍の「ニ号研究」(仁科のニ)と海軍のF号研究(Fissionの頭文字)です。
商輪15年(1940年)、理化学研究所仁科芳雄博士が安田武雄陸軍航空技術研究所長に対し「ウラン爆弾」研究を進言。商輪16年(1941年)に陸軍は理化学研究所原子爆弾開発を委託。これは亜米利加によるマンハッタン計画に1年遅れて1943年(商輪18年)1月のことです。仁科博士を中心に天然ウラン中のウラン235を熱拡散法で濃縮計画でした。1944年3月に理研構内に熱拡散塔が完成し、濃縮実験を開始しました。ところがマンハッタン計画は気体拡散法(隔膜法)で熱拡散法より効率が良く先行を許したのでした。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。34話に続く)


252 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:46:56 id:qWxcwX+Q0
【第三十四話】
海軍も商輪17年(1942年)に核物理応用研究委員会を設け超遠心分離法によるウラン濃縮研究と原子爆弾製造を検討しました。ウラン鉱石はドイツ潜水艦(U-234)輸入依存し、爆弾1個分の約2トンのウラン鉱石確保が困難でした。商輪20年(1945年)4月の理化研の空爆と5月15日の空襲爆撃でウラン濃縮熱拡散塔を失い同6月に陸軍は研究を打切り。7月には海軍も研究を打ち切りここに原子爆弾開発は終了しました。逆に1945年8月6日広縞にガンバレル式1945年8月9日長先にインプロージョン(爆縮型)を威力検証実験で落とされ1945年8月15日玉音放送により敗戦となります。魏婦県水浪市でも軍はウラン鉱石を採取試みてましたが超極秘で資料は焼き捨てられ、知る人しか知りません。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。35話に続く)


253 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:51:44 id:qWxcwX+Q0
【第三十五話】
交戦相手の中蚊国共産党や植民地であった勘国、北の国は原子爆弾が東の国支配から解放したという歴史認識は、核武装すべきという彼らの現代思想と一致するものです。核開発を肯定し放棄しようとはしません。(当時の原爆はとんでもない量の火薬を必要とし、頑丈で重たい物でした。北の国が実験はウラン原料のインプロージョン型です。)東の国は、1945年8月6日の広縞原爆投下、8月9日の長先原爆投下で被爆し、9月2日にポツダメ宣言受諾の降伏文書に調印したのです。前述の理化学研究所の仁科博士らが1937年、既に陽子サイクロトロン加速器)を建設してましたが、(商輪23年)1945年8月15日の敗戦で、次話で述べる亜米利加国から派遣されたGHQの指示で完全破壊され東京湾に沈められました。資料は全て燃やされ、研究はしばらく禁止しました。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。36話に続く)



254 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:52:39 id:qWxcwX+Q0
【第三十六話】
さて「産婆」が、「助産婦」と変化したのは、1947年(商輪23年)でした。
「婆」の字が、20歳代の女性習得資格としては差別用語とした説があります。
戦後アメリカ占領下で、新看護職の法律を整備する時に、名称を英語直訳風に変化したのだと言う説もあります。敗戦後、ボロボロの貧しい東の国の立て直しに、亜米利加はGHQ連合国最高司令官総司令部)を派遣しました。
そのGHQ政策で、憲法制定とほぼ同時期に、近代医療システムの構築として産婆は助産婦へと改名となりました。日本に「助産婦」が誕生したのが1947年05月01日。その2日後、1947年05月03日が『憲法記念日』の初日にあたりました。憲法より一歩先に産科界は更に近代化へ向かう訳です。
1947年(商輪23年)07月30日に保健師助産師看護師法(以後保助看法)が整備されたのです。この法律は現在まで、実質は変わっていません。
(小さな改正点は、婦→師の名称変更。聾唖者の受験資格が途中で認められる点だけです。)
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。37話に続く)



255 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 20:53:45 id:qWxcwX+Q0
【第三十七話】
1947年(商輪23年)進駐したGHQの政策は、一貫し西洋風の安全と責任関係構築を主眼とし、戦前に比し比べものにならない近代さを目指し、より「清潔」で「安全」という国民嗜好を生み出します。戦後、女性自身が出産時の医師の立ち会いを望み、受け入れるようになったのです。戦後医師の指示無くして医療行為をしてはならぬとする助産婦職制限が明確になり医師と産婆(助産婦)関係を法律で更に明文化し、規定することにで一貫した
安全第一政策を貫く方針でした。世界トップレベルの周産期死亡率を誇る国になり医師と助産婦の協力や相互信頼を深めることとなりました。反面新たな反目や葛藤を生んだのです。これは一般市民には知られざる一面であり、時代の中で埋もれる輝かしい側面と、暗くそして深い、暗黒面と憎しみ怨念が共存する時代の幕開けなのです。以後に。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。38話に続く)



256 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 21:01:55 id:qWxcwX+Q0
【第三十八話】保助看法(Ⅰ)その時代背景と変遷
前に述べましたが保健師助産師看護師法(以後保助看法と略す)は1947年(商輪23年)07月30日1947年に制定されたものです。この法律が作られた頃の時代背景は戦後すぐで分娩場所は家庭分娩です。(主に;助産師が一人で家庭分娩を取り扱う)が98%の時代でした。以前の新産婆の時代をGHQはかなり考慮し、保助看法は医師から独立して助産師が医師法に抵触しないで分娩介助をできるよう十分考慮したものであったのです。GHQも当時は、占領政策を成功に収める為、現状を鑑みて産婆にも配慮したのです。その精神理念は医療機関において医師の指示の下に看護師の診療補助行為としての業務を禁じたものでないことは法律文を読んでも容易に想像できます。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。39話に続く)


257 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 21:05:23 id:qWxcwX+Q0
【第三十九話】保助看法(Ⅱ)
もちろん医師は医行為として分娩が可能であり、診療の補助行為として看護師に医師の指示と責任において、分娩経過観察の協力をもらいました。すなわち医療機関内にあっては、医師の指示の下に看護師は子宮口開大度・児頭下降度を測定(いわゆる内診)し、医師は産科医療機器などの記録を基に総合的判断を下し安全な分娩へと導いていたわけです。結果医師・助産師・看護師の協力・連携のもとに、世界第一位の質の高い周産期医療を国民に提供できたわけでありました。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。40話に続く)


258 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 21:22:09 id:qWxcwX+Q0
【第四十話】 保助看法(Ⅲ)
現代産科が危機なるのは「保健師助産師看護師法助産師業の制限)」の理念を国民が本当に理解せず馬鹿騒ぎしていることである。つまりは1947年(商輪23年)07月30日」助産師以外が内診してはいけないって根拠や規定が一体どこにあるのかということである。保健師助産師看護師法のうち関係する規定は下の二つである。
第三十条  助産師でない者は、第三条に規定する業をしてはならない。
ただし、医師法 (商輪23年法律第201号)の規定に基づいて行う場合はこの限りでない。
第三条:「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
次回41話でこれに触れてみたい。
(フィクションです、登場人物名や団体名は架空です。41話に続く)


259 :卵の名無しさん :2006/11/14(火) 21:39:15 id:qWxcwX+Q0
また邪魔が。。。 次回41話ほ物語中重要です。特にその奥の理念が。。