健診受けても予約してなければ出産を断られる、と

うーん、よく分からないニュースだな。

妊婦搬送拒否:分娩予約できず、臨月で10カ所以上拒否 身にしみた“産科危機”
 ◇男児を出産、八尾の夫婦

 大阪府八尾市で昨年9月、出産する病院を確保できずに臨月を迎えた女性(34)が、陣痛が始まり救急車を呼んだものの10以上の産科に受け入れを断られていたことが分かった。妊娠に気付いてすぐ産科を探したが、周囲の産婦人科が相次いでお産をやめていたうえ、長女(6)が帝王切開だったなどの理由で次々と断られていた。約3時間半後、女性は大阪大病院に搬送され、長男を無事出産したが、事前に出産場所を容易に予約できず、緊急時にもなかなか受け入れられない“お産難民”の深刻な実情が浮き彫りになった。

 夫婦によると、陣痛が始まったのは午後11時ごろ。八尾市消防本部の記録では、翌日午前1時51分に119番があった。約1カ月前に健診を受けた産婦人科に運ばれたが、「予約していないから」と自宅に帰るよう言われた。予約しようとしたが、分娩(ぶんべん)数を制限しており、できなかったのだ。どこの病院も紹介されず、病院から再び119番した。

 同2時55分、別の救急隊が到着。女性は救急車内のベッドに横たわって陣痛に耐え、夫(40)と長女が付き添った。そばで隊員が病院や診療所に電話をするが、次々と断られた。「このまま受け入れ先がなかったらどうなるのか」。夫は不安を抱えながらも、妻に励ましの声をかけた。隊員も「必ず見つけるので待ってください」と力強く言った。

 午前5時、「見つかりました。すぐ向かいます」と隊員が言った。10カ所以上に断られていた。35分後、同府吹田市の阪大病院に到着。すぐに帝王切開の手術が始まり、7時ごろに無事出産した。女性は「搬送中に覚えているのは、次第に空が白んできたこと。出産の不安よりも、病院が見つかってほっとする思いが強かった」と振り返る。

 隊員の電話のやりとりで、搬送を断られた理由は分かった。「医師が分娩中」「病室に空きがない」「うちで健診していないから」

 しかし、妊娠2〜3カ月に当たる昨年1月、妊娠に気付き、電話帳で八尾市内の産婦人科を調べた。電話した約10カ所の大半は産科が既になく、残りも「帝王切開は無理」と断られた。遠くの病院にかかろうとは考えず、臨月を迎えてしまったという。女性は「病院が少ない地域ではないのに、受け入れ先がなくて驚いた」と話す。

 夫も「陣痛が始まったら救急車で行くしかないと覚悟していたが、認識が甘かった。出産が母子の命にかかわることだと理解すべきだった。産科の危機的な状況が身にしみた」と反省する。女性は今、第3子を妊娠して4カ月。大阪市内の病院でお産の予約をし、電車で約30分かけて健診に通う。【根本毅】