pandaの話

http://d.hatena.ne.jp/reservoir/20061022/1161489457
http://d.hatena.ne.jp/reservoir/20061102/1162425990

あたりの続き

427 :名無しさん@八周年 :2007/11/15(木) 13:04:51 id:jJgiAbr40


>>1
ちなみに、読売新聞本体にはm3.comに書き込まれた話が引用されている。
参考までに

とある国ではパンダは希少動物、各地の動物園ではパンダの芸は大人気。
朝から晩までパンダショーは人だらけ。
定時のショーが終わっても、今すぐにどうしてもショーを見たいという
お客さんの希望に応じるため、休む暇も無くパンダはショーを続けていました。
不思議なことに、その国では。
希少動物であるはずのパンダは寝る時間も無い程働かされているのに、
餌は少ししか貰えないし、他の動物と同じ、粗末な小屋に寝かされていました。
かつては、パンダが綱渡りから落ちたり、お手玉を落としたりしても、
お客さんはパンダを責めることは無く、拍手してくれていました。
時代は変わり、芸が決まっても拍手は無く、失敗すると野次や怒声が飛ぶようになり、
とうとう、芸を失敗したパンダに罰が加えられるようになりました。
疲れ果てたパンダは次々と病死し、動物園から逃げ、
パンダであることを隠すために黒い毛を白く染めて白熊として生きるものが続出しました。
そうしてパンダの居ない動物園が増え、
特に田舎の動物園ではパンダショーは見れなくなりました。
でも、不思議なことに、パンダの虐待は日に日にひどくなるばかり。
総理大臣までもが、パンダを確保せよというばかりで、虐待をしてはいけない、
とは決して言いません。挙句の果てには、白熊を上手に染めてパンダにしてしまえ
と言い出す始末で、どうにもなりません。
そんな美しくない国で起こった可愛そうなパンダのお話です。


432 :427続き :2007/11/15(木) 13:08:56 id:jJgiAbr40


その日もパンダは定時のショーの終了後、夜中に芸が見たいお客さんのために
2匹で動物園に残って必死で芸をしていました。そこに動物園の受付のおじいさんがやってきて、
パンダに耳打ちします。
「実は今すぐに芸を見たいという電話が入ってますよ」
「どんなお客さんですか?どんな芸をみたいの?」
「それがね、良く分からないのですよ。とにかく今すぐショーをしてくれないと困る
とおっしゃっているんだけど・・」
「申し訳ないけど、今芸の真っ最中なんだ。見たら分かるでしょ。
最近、綱から落ちたら鞭が飛ぶから僕たちも必死だよ。寝不足でフラフラだけど、
最高の結果を求められている んだ。僕たちも余裕がないんですよ。後にしてもらえますか?」
可愛そうなパンダの現状を知るおじいさんはこう返事します。
「今芸の真っ最中です。芸に時間がかかるかもしれません」
するとお客さんは「それなら他の動物園に聞いて見ます」と電話を切りました。
その後も次々とお客さんがやってきて、2匹のパンダは翌日まで芸を続け、
一睡もしないまま翌日の朝から通常通りのショーを行いました。
難しい芸も無事決まり、パンダは疲労困憊ながら、
今日もお客さんに喜んでもらえたと満足していました。


436 :427続き :2007/11/15(木) 13:11:28 id:jJgiAbr40


ところが、数日後新聞を見てびっくり。
「最寄の動物園のパンダ、ショーを拒否」
「客席は空いていた、パンダに余力あり」
という大きな見出しが目に入ります。
どうやらお客さんは遠くの動物園まで行くことになり、
ショーの内容にも満足しなかったようです。
パンダにしてみれば、ほとんどの動物園で、パンダは疲労困憊。
余裕のあるところなんてありません。それは仕方ないことなのです。
「そ、そ、そりゃないよ。徹夜でショーをしていたのに、
どうしてこんな風に言われなきゃいけないの?」
当事者のパンダは悲しくて悲しくておいおいと泣きました。
その動物園には抗議が殺到します。
「税金で餌を食っているパンダがショーを拒否するなどとんでもない」
「怠け者のパンダに鞭を打とう。もっと鞭を打てば、ショーを断ることなどないはずだ」
見かねた園長さんが「実はパンダはこんなに必死に芸をしていたのです。
もうパンダは数が減ってしまって、これ以上の芸は無理です。分かってやってください」
と記者会見を行いました。


441 :427終わり :2007/11/15(木) 13:14:16 id:jJgiAbr40


それでも一般市民はパンダを責めるばかり。
「パンダに生まれた以上、どんな芸も完璧に、いつでも行う義務がある。
パンダとして出生した時の心を忘れたか」と新聞の社説にも書かれる有様です。
そのショックで、一匹だけ産まれる予定だったパンダの赤ちゃんも死んでしまいました。
悲しみに暮れるお母さんパンダも「どうせこの国でパンダとして生まれたら
死ぬまでこき使われるわ。赤ちゃんが亡くなってしまったのは残念だけど。これも運命よね」
と納得するしかありません。
ショーを断ったとしてバッシングの嵐を受けたパンダとその仲間はついに決心しました。
「パンダでいることに誇りを持ち、必要とされるやりがいだけで必死にやってきた。
でももう限界だ。みんなで逃げよう」
パンダたちはお世話になった園長先生に手紙を書きました。
「えんちょうせんせい。ぼくたちをかばおうとしてくれたことにかんしゃします。
でも、もうげんかいです。こころがおれてしまいました。
これいじょうショーをつづけるきりょくもたいりょくもありません。
にげるしかないのです。ゆるしてください」
皆でおいおいと泣きながら手紙を書き上げ。
最後の力を振り絞って鎖をほどき、動物園から脱出しました。
パンダの脱出は大きなニュースになりました。
でも、この美しくない国の人たちは逃げたパンダを責めるばかり。
自分たちがいじめ抜いてパンダが居なくなったことに気がつかないのか、
気がついているのに無視しているのか、パンダをこれ以上いじめないようにしよう、
大事にして増えてくれるように努めようとは決して思わないのでした