日本のスパコン事情

TOP500が発表されたのだけど、国内一位は東京大学情報基盤センタの T2Kが16位と。
T2K 3機種が 3台、TSUBAME地球シミュレータ国立天文台 XT4の 6台しか TOP100に残れていない、と。

トヨータとかが隠し持ってるのかもしれないけど寂しいね。

1.第31回Top500発表,史上初の1PFlops突破のRoadrunnerがトップ


  日本は,6月7日の話題で紹介した3大学のT2Kが上位ですが,東大T2Kが82.89TFlopsで16位,筑波大T2Kが76.46TFlopsで20位,東工大TSUBAMEが67.7TFlopsで24位,京大T2Kが50.51TFlopsで34位,かつての栄光の地球シミュレータが49位,そして国立天文台のXT4が22.74TFlopsで76位で,100位以内の日本のシステムはこの6システムだけです。


  スパコンがあれば良いというわけではありませんが,無ければ使いこなす技術も進歩しないし,それを使った科学技術も進歩しません。Top500の過半数の257システムが米国,53システムのイギリス,46システムのドイツ,34システムのフランス,についで,日本は22システムです。米国は言わずもがな,ヨーロッパに比べても劣勢という状況は悲惨です。また,今回のリストを見ると,中国が12システム,ロシアが9システムで,着々と力をつけてきています。

前に「地球シミュレータは環境系中心で作ったので計算機屋さんの介入が弱かった」という日記を書いたらブクマ等で不評をかったけど、
やっぱ地球シミュレータに予算突っ込みすぎて次が続かなかった、というのが今日のスパコンの台数減少を招いたのかなあ、とも思う。

1000億の機械突っ込むより、200億の機械を 1年1台*5年投入するとかの方が、効果は大きそうな気がするけれども、さて……。

4.ClearSpeedが新アクセラレータCSX700を発表


  倍精度浮動小数点演算性能は,nVIDIAのTesla 10Pと同程度,AMDのFireStream 9250の半分程度ですが,こられのGPUが150W程度の消費電力であるのに対して,CSX600は12Wと性能/電力は圧倒的に有利です。 また,いくら計算が速いといっても,エラーチェックも無いGPUで金融シミュレーションをやって莫大なお金を動かす筈も無く,Clearspeedの製品は,DRAMなどにECCが付いているのが売りです。一方,たまにビット化けしても屁でもないGPU屋は,この辺が分かってなくて,倍精度浮動小数点演算だけ付ければHPCにも売れると思っているようですが,そう甘くはないと思います。

あー、なるほど。GPUECC付きメモリドライブ出来ないんだ。オンダイのECCとかも入ってなさそうだなあ。