研究室運用方針

「楽しいからやる」「もっと楽しくする」という方向にフィードバックを回そうとしてるのは偉大

大学院生の教育方針(ホームページの「研究室の運営方針」の再録です)

(1)「研究は楽しいからやる」というのが一番の基本。


(2)楽しさは、「研究内容、目標」だけでなく、「研究の過程」にもあるようにしよう。ワクワクドキドキできるように、ちょっとおしゃれな気分になったり気取った感じになったりできるように、面白くやる。


(3)面白くするためには、絶対に面白くするぞ、という意気込みがいる。気概がいる。「研究室を、こういう元気をあげたりもらったりする場所にする」。


(4)大学院生、ポスドクは、独立した研究者として自立していく過程にあるので、それを援助するために色々な機会や場面を設ける。最も基本的な考え方は、大学院生を取りあえず独立した研究者として扱うということで、それによって、独立、自律という意識をもってもらうようにする。


(5)「研究室は、確立した個人が相互作用しあい、議論をしたり、共同研究をしたり、切磋琢磨するための知のインキュベータである」、という考えのもとに、研究室を運営する。これを私達は、「Interdependency of Independent Researchers」と呼んでいる。これと、(3)の「研究室は、元気をあげたりもらったりする場所」の2つで、情と知のセットになっている。

このような考え方がどの程度徹底し、どの程度成功を収めるかは、実は、在籍する教官、研究者、大学院生の質/気質によって常に変動している。しかし、これは研究室にとっては非常に重要な概念で、この考えに沿った研究室運営ができるように、私(楠見)はいつも努力しているつもり。


(6)(5)は、我々のラボのように、研究内容が本質的にinterdisciplinary(境界領域的)な場合に、特に力を発揮すると思う(もちろんそうでなくても、これは研究室には欠かせない態度と習慣であると思うが)。この点でも、経歴の多様性は重要であり、いつも広く大学院生、ポスドクを求めるよう努力する。