AdvFSの話

各種の Freeな BSDファミリーに移植されないかなあ

きょうすごいと思ったのが、 AdvFSのソースが公開されたこと。 まだ Linux では動かないが、なによりいいのはこれまで部外秘とされていた (PDF には "HP Confidential" と書かれている) ファイルシステムの設計文書が公開されていることである。 これはすごいよ。設計理念から、構造体の中身までぜんぶ解説されてるので、 ファイルシステム設計をしたい人は必読だろうと思う。

AdvFS は Digital UNIX の時代から使われていたが、 ファイルシステムの動的な拡張やデバイスホットスワップ、そしてスナップショットなどができる すぐれものの fs である。ようするに、これは 1990年代からある ZFS のようなものだ。しかし AdvFS が本当にすごいのは、これが 10年前にすでに v4.0で「枯れた」システムだったことである。 新山も使ったことがあるが、当時は慣れていないので怖かった (だって研究室全員のホームディレクトリが入ってるディスクを移動させる作業だったんだもん、そりゃ怖いよ)。 かつての altavista もストレージは AdvFS で作られていたという。いまZFSと比べてもぜんぜん見劣りしない。 当時 linux ではまだ ext2 が主流だったことを考えると、いかに DEC が先進的だったかということだな。 OSはフル 64ビットアドレッシングだったし、完全に時代の 10年先を行っていた。 これは、この業界ではトンでもなくすごいことなのだが、たぶんスゴすぎて誰もついてこれなかったんで 売れなかったのだろう。惜しいことよ。

64ビットRISC Alpha AXPアーキテクチャ概要

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