奈良県の病院ネタ

まあ人いないとしょーがないよなあ。迂闊に受け入れると裁判に負けるし、診療拒否もやむを得ないような気もするな

「ハイリスク出産は自宅で」なんていうワラエナイ冗談があるけど、本当にそうなる未来もあるのだろうか


http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1160456761/396
不謹慎ながらワロス

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

URL

「奈良事件に誤診はあるか」
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20061019

「奈良の件真相」
http://d.hatena.ne.jp/physician/20061018

コピペのコピペのコピペ

http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1160456761/426-428

患者さんは予定日超過で入院し、入院当日からPGE2の内服で分娩誘発されていて、当日の午後に服薬を終了、自然に経過観察していたところ、準夜帯から自然陣発したとのこ とです。ところが、午前0時頃に突然意識消失のような症状が出現したため、産科当直医が院内の内科当直医に診察を依頼し、内科医の診察を受けました。

内科医が対光反射や一部の神経学的所見を診たところ、意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無く、また陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなど したため、産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したとのことです。この際に「内科医がCT検査を行うことを主張したが産科医が拒んだ」などと報道されてい ますが、両者の間でそんな押し問答のようなやりとりはなかったようです。その時点では血圧は正常で、子宮口も4cm程度開大していたため分娩経過を診ることになり、産科医 は当直室に戻ったとのことです。

しかし、その約1時間半後に痙攣発作が生じ、この時点では血圧が180前後まで上昇していたため、産科医が子癇発作と判断し、マグネゾールを静注して奈良医大病院に搬送を 依頼ました。ところが、奈良医大の産科病棟が陣痛待機室のベッドまで入院患者が溢れるほど満床であったため受け入れることができず、また、容易に搬送先が見つかりませんでした。

大淀病院の産科医の先生はいつでも搬送できるよう、今か今かと「受け入れ先が見つかった」との連絡を待ちわびていたらしく、CT検査ももちろん考えたようですが、( 今、患者を動かして再発作を起こしたら母児ともに危険かもしれない)(CT検査に行っている間に搬送先が見つかったと連絡が来るかもしれない)など考えて躊躇されたようです。

苛立つ家族に囲まれ、産科医自身も大阪の高次医療機関に数件電話するなどしたようですが、全て断られたとの事でした。最終的に搬送先が見つかったのは、搬送を申し入れ てから二時間余り過ぎた後でした。

聞けば聞くほど悲しい内容です。報道では、かなり産科医を悪辣に糾弾しておりますが、このような経過では同情を禁じ得ません。一番の問題は、受け入れるベッドの絶対数が奈良県では不足していることにあるように思います。刑事事件へと進展しそうな気配ですが、このような例が刑事訴追されることを、我々は容認してはいけないと思います。

http://www.yabelab.net/blog/2006/10/17-124111.php

No.125 山口(産婦人科) さんのコメント | 2006年10月18日 22:00 | (Top)

 だんだん悪寒がしてきました。この病院て私の勤務先とほぼ同条件。(年間200分娩、産科医常勤実質一人、麻酔科医なし、脳外科常勤一人。)20年やってきて、幸い子癇にあたったことはありませんが、もしもあたったらここもアウトだ。その上重症の子癇発作には、しばしば脳出血も合併するとあるからたとえCTをとっても鑑別できたかどうか。ちなみに子癇発作の時の対応ですが他の産科医からも出ていましたが、「安静と刺激遮断、抗痙攣薬投与、落ち着き次第妊娠終了(この場合帝王切開で胎児娩出)」が鉄則。ちなみに母体死亡率は10から20%です。死亡する場合、発作中なら原因は脳出血または心不全とあります。従って発作開始時は本当に子癇発作で、誤診でなかった可能性もあります。最近はCTを防衛のために?取ることも多いようです。

 転送忌避についてですが、確か大野病院の事件の時「一か八かでやってもらっては困る」といったのは検事でしたよね。ということは万全の体制が取れない病院で、このような深刻な病状の妊婦を受けちゃいけないわけです。転送不能と回答した病院の先生方は、そこを強調していただきたいですね。

ついでに深夜30週の胎盤早期剥離を転送要請したときの体験から行くと、1件につき15分くらいは楽にかかります。15*18件=270分、うーむ、4時間超えるか。(2分経過-「お待ちください、産科当直医と替わります」-5分経過-「はい当直医です。うーん、NICUが空いているか相談してみます」-7分経過-「すみません、満床なので受け入れられません」受話器叩きつけて切る、次へ。以下同文)

それにしても熱心な毎日新聞

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20061018k0000e040059000c.html

また満床などを理由に妊婦の受け入れを拒んだ病院の対応についても、刑事責任が問えるどうかを検討する

リスクのある医療をして失敗する

訴訟される

リスクのある行為は避ける(死にそうな患者は避ける)

診療拒否で妊婦死亡。
「断ったら刑事責任」と圧力←いまここ

そもそも夜間診療しなければいいんだ!

そのうち産科も小児科も外科も全部夜間診療無くなりそう

警察の熱心さの背景

「September 9, 2006 警察と医療過誤 [社会・歴史] 」
http://med-legend.com/mt/archives/2006/09/post_935.html

私の意図は法律論的な論議ではなく、何故か誰も語らない「警察が医療過誤に過剰に関わる理由」を別の視点
から示す事だけである。桶川ストーカー事件や秋田小児連続殺人事件に見られるように、出来るだけ面倒くさい
事件に関わりたくない様子が見え見えの警察が、なぜ医療問題には介入したがるのか、真面目な議論ではあま
り触れられず、かつ理解しにくい問題といえる。

私の意見は単純なものである。彼らは新しい「天下り先」を開発しようとしているのだ。法律論的にも問題がある
ような介入事例を増やし、「こういうややこしい目に遭いたくなければ、自分らのOBを病院に受け入れろ」といい
たいのだ。ストレートな天下りが世間的に認められにくくなったため、頭を絞った結果がこれなのだと思う。

私自身も経験したことでもあり、うわさ話レベルでも聞く話ながら、そう詳しいことは述べられないが、警察OBに
よる病院幹部ポストへの天下り要求は、既にあちこちでやんわりとした形で始まっている。どこまで意志一致さ
れているは知らないが、浅薄なマスコミ報道も追い風にできる、かなり目の付け所のいい戦術だと思う。

まあこんなところだろうなあ

memo

774 :卵の名無しさん :2006/10/18(水) 12:16:19 (p)id:IGyeEuOy0(6)
子癇だった場合
CT撮る→動かすだけで死ぬかも
CT撮らない→多分なんとかなる
脳出血だった場合
CT撮る→死亡もしくは寝たきり(確定)
CT撮らない→死亡もしくは寝たきり(確定)

ふふーん

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何かについて、昔書いたレビューを再度貼ってみる。

レビュー 社会制度の問題点に切り込んだ好著
専門的な職種における過誤の調査およびその処罰を警察がやっていいのか?

>  怖るべきことに、この国では、合理性に敵意を示し、感情論を隠そうとしない非専門家が、権力を持つようになってきた。非合理と感情論をまとめあげ、見える形にして、政治的権力を持たせているのがメディアである。

とある。

感情論に流されてしまい、本当はどういう姿にすると当事者がハッピーで持続可能なのか、という視点が日本に育たないのは何故だろう。
なぜ社会システムを持続可能な形にデザインしないんだろうか。

医療に限らず、たとえば航空機事故において機長に刑事罰を負わせるだけでシステムにおけるリスクやエラーの追求をしない。これによって起こりうる損失は大きいと思うのだが、何故かそこを指摘する声は大きくない。

いろいろと考えさせる好著。医療者や、あるいは医療を受ける立場の人だけでなく、専門的職種にある人すべてに興味深い示唆を与える好著。