医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

社会制度の問題点に切り込んだ好著
専門的な職種における過誤の調査およびその処罰を警察がやっていいのか?

怖るべきことに、この国では、合理性に敵意を示し、感情論を隠そうとしない非専門家が、権力を持つようになってきた。非合理と感情論をまとめあげ、見える形にして、政治的権力を持たせているのがメディアである。

とある。

感情論に流されてしまい、本当はどういう姿にすると当事者がハッピーで持続可能なのか、という視点が日本に育たないのは何故だろう。
なぜ社会システムを持続可能な形にデザインしないんだろうか。

医療に限らず、たとえば航空機事故において機長に刑事罰を負わせるだけでシステムにおけるリスクやエラーの追求をしない。これによって起こりうる損失は大きいと思うのだが、何故かそこを指摘する声は大きくない。

いろいろと考えさせる好著。医療者や、あるいは医療を受ける立場の人だけでなく、専門的職種にある人すべてに興味深い示唆を与える好著。

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か