産婦人科があるけど出産を扱ってない大病院

via ある産婦人科医のひとりごと: 大きな声では言えないが:産めない大病院=牧太郎(毎日新聞)

産めない大病院

 某有名病院の待合室で「ここ、赤ちゃんが産めないの」という声を耳にした。エッ、産めない大病院?

 案内書に「婦人科・膣(ちつ)炎、月経不順、不正子宮出血、性行為感染症不妊症、がん検診(子宮がん、卵巣がん)、骨粗しょう症の予防、老年期に多い子宮脱などを扱い、女性の生涯のあらゆる過程において、健康で快適な生活を送るための医療を提供しております」と書いてあるじゃないか。でも、もう一度、読み返すと、確かに「出産」はない。親しい医師が説明してくれた。

 「産科と婦人科の両方を備えているのが産婦人科。婦人科は妊娠中の経過は診ることはできるが、産むときは、患者が産科のある病院に移るんだ。もっとも産婦人科でも婦人科でも母体保護法指定医であれば中絶手術はできるけど」

 それにしても、東京の、しかも、こんなに有名な病院でも産めないのか?

 「施設の問題ではないんだ。04年に導入された新医師臨床研修制度で、若い医師は、拘束時間が長い、深夜の出産も当たり前の産科を敬遠するようになった。大きな声では言えないが、これが産科医療の崩壊につながっている」と彼。慌てて勉強した。

毎日新聞が良く言うな。 (魚拓)