はしかネタ

id:DrPoohさんの「麻疹の流行と予防接種」という記事から。
http://d.hatena.ne.jp/DrPooh/20070518

麻疹ワクチンの接種率が上がらない原因は種々あるであろうが,麻疹ワクチン副反応の過大評価と並んで,

ア)アレルギーのある子どもは接種しないほうがよい,

イ)熱性けいれんを起こす子どもは接種しないほうがよい,

ウ)大人は麻疹ワクチンを接種できない,

といった麻疹ワクチンに関する誤解も関与していると推定される。

また,誤解とは言えないが,

エ)本物の麻疹にかからないと強い免疫はできない,

と信じて麻疹ワクチン接種を避ける親も少数いるようである。

臨床医からみた麻疹の問題点
http://idsc.nih.go.jp/training/13kanri/takayama.htm

おもしろいなあ。妊婦が感染して母子感染、というのは切ないな。

個人的に問題を感じたのは、下記の統計がないっつーところ。

7)日本における年間麻疹患者発生数も麻疹による死亡者数も把握できていない。
麻疹患者数および麻疹死亡者数の全国集計データは日常診療に直接関係するものではないが,麻疹対策を考えるうえで,またワクチン接種の効果を判定するうえで必要なデータである。さらに,ワクチン接種に無関心な人々にワクチン接種の必要性を説明する上で有益である。定点調査データでは一般の人々には理解を得られにくい。

多少死んでも公共の福祉の点から接種を義務化した方がいいと思うんだけどなあ。
接種禍を主張する人のページを見ると、1.8M人に接種して5人死亡、と。
死んだら10-100M補償することにしても、年50-500Mか。
そんなに許容できないコストではない気がするのだが、そーはいかないんだろうなあ。

休講の影響を妄想してみる

学校が休校になりまくっているので、これらによる影響を妄想してみる。

大学生は学校に来ないことで有名なので試算しにくい。
120単位を 26週*4年で取得すると、1週あたり1単位くらいか。
2単位13コマとすると、1週間1単位は6.5コマくらいか。
実際には演習とか語学とか実験は換算が違うので、たぶんいろいろと違う。

早稲田が5万人、その他10大学として、20万人くらいか。
2週間休講*20万人*6.5=260万コマくらいに影響があると。

4年400万で120単位、1単位13コマとすると、1コマの値段は2500円になるので、
260万コマ*2500円で、65億円くらいは影響がある見当になるのかな。


大学だけでこれなので、高校入れるともっと大変そう。
都立学校10校だけで280人の感染者が出た、という報道がある。

京都教委によると、都立高や都立養護学校などの都立学校では18日までに104校ではしかが発生し、生徒・児童279人が感染
http://www.asahi.com/life/update/0521/TKY200705210276.html

はしかの影響がどんなもんか、と調べると、1000人あたり1人が脳炎発症、脳炎発症者中15%が死亡、と。
10000人あたり1.5人が死亡か。意外と軽いな。

はしかにかかった子供の1000人に約1人が脳の感染症脳炎)を発症します。脳炎が起きるときは、普通、発疹が現れてから2日から3週間後に高熱、けいれん、昏睡などで始まります。この病気は短くて、約1週間で回復することもありますが、長びいて脳の障害や死をもたらすこともあります。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec23/ch273/ch273f.html

よくわかんない。

ウイルス感染症

麻疹
(はしか;Rubeola;Morbilli;Nine-Day Measles)

脳炎は1000〜2000例中1例程度にみられ,通常は皮疹出現後2日から3週間で発症し,しばしば高熱,けいれん,昏睡で始まる。ほとんどの症例で,CSFリンパ球数は50〜500/μLの間であり,蛋白濃度はやや増加する。初期症状の発現時にCSFが正常でも,脳炎は除外できない。経過が短く約1週間で回復することもあれば,長引いて重症のCNS障害や,死に到ることもある。
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)も麻疹ウイルスと関係があり,これについては後述する。


メルクマニュアル 17版日本語版
http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/kensaku_frame.cgiから検索)

うーん、死亡率書いてないな。

病因と疫学
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は,麻疹ウイルスの持続的感染と考えられている。電子顕微鏡下で脳組織に麻疹ウイルスが検出され,脳生検でも分離されている;また蛍光抗体法で脳組織に麻疹抗原が検出されている。SSPEは,麻疹の自然感染歴はないが麻疹ワクチンを接種された小児でも報告されている。しかし,その一部は生後1年までに罹患し診断のつかなかった麻疹の結果かもしれない。
麻疹100万例当たり約6〜22例がSSPEを発症する。ワクチン接種によりこの数字は低下し,ワクチン接種100万例当たり1例が発症するが,ワクチン接種前に診断のつかない麻疹を罹患していたため発症した例もあるとみられる。女性より男性が高頻度に罹患する。発症は通常20歳未満である。米国および西ヨーロッパでは,SSPEは極めてまれである。


メルクマニュアル 17版日本語版
http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/kensaku_frame.cgiから検索)

これは「脳炎」が進行して、脳味噌に入るとこうなるのか。