研究活動と競争力

博士の研究はトレーニングですから、研究の過程でどれだけ考えて、どこまで突きつめたのかが重要。その対象となる研究テーマはどうでもいいというか、そのトレーニングがしっかりできるテーマを研究することが重要なように思います。
だから、博士の研究をシェルスクリプトRubyで簡単に実装できるのはいいかもしれませんが、トレーニングになっているかというとそれはべつなのですよね。

"佐藤一郎: Web日記 (2007年)", 2007年8月15日, http://home.att.ne.jp/sigma/satoh/diary.html


ううむ、某先生から、「基礎から汗かけよ」と言われたが、それと同じことなんだろうなあ。
下にあるような他と差別化できる技術、競争力のある技術、それらの技術を作れる脳味噌が作れるか、なんだろうなあ。

それとテーマにも博士論文に向くテーマで向かないテーマがありますね。例えばユビキタスコンピューティングをテーマにした場合、ひとつちがうと既存要素技術や部品の組み合わせでデバイスの工作になりがち。その研究自体はいいのですが、それで何が身につくかというと既存要素技術や部品の組み合わせ。でも組み合わせだけでは研究としての差別化は難しいわけで、やはり要素技術で勝負できるような思考能力が身についていないと後が辛い。

いずれにしても博士をとってから3〜5年間にオリジナルの仕事ができるか否かなので、博士の研究テーマに執着するのがいいとは限らないですからね。

この辺で勝負できるかどうかというところを最終的なターゲットに絞って、
差別化できる、比較優位を保てるような技術を握った上で、さらに新しいものを創造していく能力を磨かないといかん、と。