篠田節子「秋の花火」を読んだ

グロ小説篠田節子による人生の機微を書いた(陳腐な表現だけど)佳作短編集。甘くない中年以降の男女のエロスを扱った短編集、かな。

老指揮者が女に対する執着を諦められずに人に見放されつつも、素晴らしい演奏を最後にして死ぬ表題作、天才ピアニストが抱える過去の亡霊に苦しんでいるという話などどれもそれなりに一癖あって面白い。

¥600円以下なので、大変コストパフォーマンスは良いと感じる一冊でした。

秋の花火

秋の花火

秋の花火 (文春文庫)

秋の花火 (文春文庫)