生活保護で飛行機通院

いやー、日本のセーフティネットはすごい!
まだまだ日本の福祉政策も捨てたもんじゃないですね。特に大阪。

生活保護者に飛行機など通院費で、10か月438万円
 大阪府岸和田市の無職男性が生活保護受給中に、病気治療のための通院交通費として、10か月間に約438万円を市から受給していたことがわかった。男性は飛行機や新幹線で福岡や東京などの病院に通っており、市に対し、「いい医師を探して全国を行脚した」と説明。厚生労働省は「通院に飛行機利用を認めたのは極めて異例」として、全国の自治体を対象に、交通費の支給実態について調査を始めた。

 府などによると、男性は40歳代で、十数年前から精神疾患のため府内の病院に通院。2006年6月から生活保護を受給し始めた。同年8月に東京都内の病院を飛行機で往復して受診したが、「医師と合わない」として、同10月からは福岡市内の病院に7回通院。妻が付き添い、大阪空港や関西空港までタクシーを使ったうえで飛行機で往復していた。

 このほか、愛知県や神戸市の病院に新幹線やタクシーを使って通院。生活保護受給を終える07年3月までの10か月間に、5都府県の病院で200回以上診察を受け、総額438万円の交通費を受給した。

 生活保護受給者が医療機関の変更を申し出た場合は、主治医の診断書などをもとに自治体が認め、医療機関発行の通院証明書や領収書などの提出を受けたうえで交通費を後払いする。男性は岸和田市に対し、「生活保護受給中はマイカーの所有が認められないので、飛行機やタクシーを使った」と説明したという。

 同市は「必要な書類が提出されており、適正な支出だと考えている」としているが、こうした高額支給について同省は今年1月、各都道府県に対し、「交通費の必要性や妥当性を十分検討しなければならない」として審査の適正化を求め、支給状況を調べるよう指示した。

 通院交通費を巡っては北海道警が9日、タクシーで通院した名目で約2億円をだましとったとして元暴力団組員ら4人を詐欺容疑で再逮捕した。

 大阪市ケースワーカーを31年間務めた松崎喜良・神戸女子大准教授(公的扶助論)は「生活保護受給者の急増で窓口の審査が厳しくなる中で、バランスを欠いた運用の疑いがある。交通費について、国が明確な基準を示すことも必要だ」と話している。

(2008年2月10日 読売新聞)