個体差と個性と学習速度

生まれ持った自然な感性あるいは個性に近いレベルの個体差を持っているのだが、
同時に高度な学習能力を持っていて、その個体差があっという間に潰されてしまうのではないか、という話。

タラレバ定食臭いのでアレだが、「周囲との軋轢を防ぐために何となく取った行動」で自然な目を失ったことが何回もあるよーなそんな遠い記憶が無くもないなあ。四半世紀前の記憶なのでねつ造されてそーだけど。

このエピソードは、最初はただ単にNくんに絵の才能があったゆえの特別な事例だろうと考えていたのだが、それからいくらか年月を経るうちに、Nくんが指摘したことは、実はとても重要だったのではないかと考えるようになった。

というのは、人間――取り分け子供というのは、独特の個性や才能を持っているのと同時に、「子供の写生メソッド」のような「上手な生き方」というものの習得能力にも長けていて、それがゆえに、もともと持っている「個性」や「感性」というものを、一瞬にして失っていくのではないかという考えに、思い至るようになったからだ。

そして、その失うスピードがあまりにも速いものだから、上記のエントリーの会話にあったように、「人間にはもともと個性などない」と思われてしまうのではないか――そんなふうに考えるようになったのである。