野良妊婦追跡調査

手遅れにしても現状把握しようというのは偉大だな

 妊婦健診をほとんど受けない妊婦が分娩に臨む「飛び込み出産」を防ぐため、大阪府は8月から大阪産婦人科医会と共同で未受診妊婦の実態調査に乗り出す。(snip)
未受診は飛び込み出産の原因と指摘されているほか、飛び込み出産では入院費用を支払わずに退院するケースもあり、医療機関の経営を圧迫する一因にもなっている。

 国は妊婦や胎児の健康を確保するため、出産までに14回の妊婦健診を受けることが望ましいとしている。しかし、妊婦健診は健康保険が適用されず公費で助成される回数分以外は全額自己負担になるため、経済的な理由から受診しない妊婦もいるという。

 未受診では、妊婦の健康状態や胎児の成育状況、感染症や合併症の有無が分からないだけでなく、逆子の場合は帝王切開が必要になることもあり母体への影響が大きい。また医師にとっては出産時の事故で訴訟を起こされるリスクもあるため、使命感から受け入れているのが現状という。

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 年間約850件の分娩を扱う府東部の総合病院では、妊娠36週に入って初めて妊婦健診を受ける妊婦が5〜10%存在し、1度も健診を受けていない妊婦が救急車で搬送されて分娩するケースも2カ月に1回程度発生しているという。

 このため、府は分娩施設のある府内の医療機関約160カ所で、未受診妊婦を対象に調査を実施。出産後に医師や看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)が本人に健診を受けなかった理由や必要とする支援などを聞き取る予定で、4月にさかのぼって調査することも検討。妊娠28週まで未受診だった妊婦を対象として想定しているが、何回程度受診した妊婦を対象に含めるかは調整中という。