無資格助産:堀院長ら書類送検へ 組織ぐるみと判断−−神奈川県警、来週にも

無資格助産:堀院長ら書類送検へ 組織ぐるみと判断−−神奈川県警、来週にも
 産婦人科病院「堀病院」(横浜市瀬谷区)による無資格助産事件で、神奈川県警生活経済課と泉署は来週にも、堀健一院長(78)や無資格助産に関与した准看護師ら計8人前後を保健師助産師看護師法助産師業の制限)違反の疑いで横浜地検書類送検する方針を固めた。8月の家宅捜索で押収した資料や関係者の事情聴取などから、堀院長の方針で長年、組織的に無資格助産を繰り返していたと判断した。

 調べでは、堀院長らは03年12月29日午後、同県大和市の実家から通院していた初産の女性(当時37歳)が出産する際、准看護師2、3人に産道に手を入れてお産の進行状況をみる内診をさせるなど、助産師資格を持たない准看護師や看護師が常態的に助産行為をしていた疑いが持たれている。

 この女性は出産時に大量出血し、04年2月に死亡。夫からの通報で、同課は今年8月、同容疑で堀病院を家宅捜索し、過去3年分の分娩(ぶんべん)記録を押収した。勤務表と分娩記録を照合した結果、病院内に助産師がいる場合でも、助産師が分娩室で助産をするケースはほとんどないことが分かった。

 同課の事情聴取に、堀院長は「(1959年の)開業当初から准看護師らに内診をさせていた。違法と知っていた」と容疑を認めていた。報道陣には、助産師不足や偏在化が問題と主張したが、同病院は助産師を積極的に募集せず、数少ない助産師には主に産後指導などを担当させ、助産行為はさせていなかった。

 堀病院は年間出産数約3000人で全国最大規模。ホームページでは「出産数日本一」とうたい、今年は11月1日までに2695人が出産した。 >