梅毒検査など2200検体、製薬会社などに流出…旭川医大

一方、4社から提供された寄付金は大学あてに行われたが、臨床検査輸血部内で学会への旅費や講演会聴講の参加費、1台のパソコン購入などに使われた。


研究費を旅費に使ったりパソコン買ったりするなんて、これは明瞭に病院に対するワイロですね><



梅毒検査など2200検体、製薬会社などに流出…旭川医大
 北海道旭川市旭川医大病院(松野丈夫病院長)は28日、2004年8月から06年12月にかけて検査が終了した梅毒やヒト免疫不全ウイルス(HIV)の検査をした計約2220検体と、大腸菌ブドウ球菌の計約350株が製薬会社など計4社に流出したと発表した。

 このうち梅毒の1800検体には個人名など個人情報も含まれていた。流出は5件あり、いずれも臨床検査輸血部で発生。提供を受けた企業からは寄付として、大学を経由して同部に計約385万円が支払われていた。病院側は関係者4人を厳重に処分する方針。

 病院の説明によると、最も多かった梅毒の1800検体の流出は04年8月。新しく開発する検査試薬と従来の試薬の検査結果を比較するために、デンカ生研(東京)に提供された。提供はコンピューター内のデータと容器で行われ、データに付随したり容器のラベルに記された個人名などが流出した。

 また、同様の目的で、05年6月、HIVの検体で陰性とされた422検体が、アボットジャパン(同)に提供された。このうち、従来の検査と結果が異なる1検体が出たことから、06年12月にあらためて検査データも提供された。

 細菌株の提供は、05年9月に大正富山医薬品(東京)と同年12月に塩野義製薬大阪市)に対して、それぞれ196株と160株が、ともに「抗生物質の耐性化に関する研究」として提供された。

 一方、4社から提供された寄付金は大学あてに行われたが、臨床検査輸血部内で学会への旅費や講演会聴講の参加費、1台のパソコン購入などに使われた。

 これとは別に大学側は昨年7月、1件の流出を明らかにしていた。その調査の際、関係者は今回の流出を報告しておらず、その後、投書で発覚。大学側は隠していたことを重視し、厳重に処分を行う。また、検査終了後の検体の取り扱いについて規定を策定する。流出した検体で、すでに廃棄されたものを除いては回収し、情報漏れがあった個人については謝罪する。


 旭川医大病院では2006年9月〜07年4月にも、臨床検査輸血部から患者の検査済みの尿と血清計123検体が旭川市内の臨床検査技師専門学校に流出。「学生の実習に使う検体が欲しい」との要請を受けて提供していた。同病院の調査委員会は、〈1〉患者の個人情報は流出していない〈2〉専門学校で適正に廃棄された〈3〉金品の授受がなかった――などと判断。学内の廃棄物処理規程などに違反していたとして、昨年6月、臨床検査部長ら5人を厳重注意処分にしていた。

 旭川医大病院 国立大学法人旭川医科大の付属病院で、1976年に開院。循環器内科、神経内科、心臓外科などがあり、ベッド数は602、常勤医は164人。

(2008年2月28日 読売新聞)