大淀つづき

開業医、流出認め謝罪

2008年07月14日

  ◆転院拒否・死亡妊婦のカルテ

 大淀町大淀病院で06年8月、出産中に意識不明になり県内外の19病院に転院の受け入れを断られた末、死亡した高崎実香さん(当時32)の病歴情報や診療経過などカルテに書かれた内容がインターネット上に流出した問題で、地元の開業医が会員制の医師専用の掲示板に流出させたことを認め、今月4日に遺族に謝罪した。大阪市内で12日にあった産科医療を考える集いで遺族が明らかにした。

 実香さんの夫の晋輔さん(26)と義父の憲治さん(54)によると、掲示板には、06年10月ごろから妊婦の入院前後の経過や病歴、診断内容の詳細が流されていた。転載可能としていたため、ほかの掲示板やブログにも多く転用されたという。関係者によると、開業医も産科医で、「担当医の判断や処置にミスはなかったことを知ってほしかった」と話したという。

 この問題を巡っては、県警も開業医に事情を聴くなどしたが、「現行法での立件は厳しい」として断念。晋輔さんらは「謝罪していただいたのは良かったが、誠意は感じられなかった。カルテを流したことの重みをもっと感じてほしい」と話した。

 晋輔さんは14日、町や担当医らが適切な治療を怠ったとして大阪地裁に訴えた訴訟で本人尋問に立つ予定だ。