偽装だらけの船場吉兆を批判する毎日変態新聞

ssd666先生のところから。あまりに出来がよい記事で驚く。
さすが新聞は社会の木鐸ですなあ。


大きな地図で見る

記者の目:船場吉兆前社長ら書類送検=久木田照子(大阪社会部)
 ◇久木田(くきた)照子
 ◇崩れた「料亭文化」への思い−−業界の信頼回復、難しい

 賞味・消費期限切れ商品の販売、牛肉の産地偽装……。日本料理を代表するブランドが本当にこんなにひどいのか。どうしても自分の目でそれを確かめたかった。今春、料亭「船場(せんば)吉兆」(大阪市中央区、破産手続き中)の偽装事件の担当になり、実際に客として、本店を訪ねた。そこには、料理の味、盛りつけの美しさ、店を大切に思う仲居さんや料理人の心意気があった。まさに日本の料理界で長年培われてきた料亭の文化。「やり直すことができるかもしれない」と思った。だがそんな淡い期待はもろくも崩れ去った。

 船場吉兆ではその後、料理の使い回しが発覚し、店は廃業、先月にはついに湯木(ゆき)正徳・前社長(74)と長男の喜久郎・前専務(45)が大阪府警から不正競争防止法違反容疑で書類送検された。もう船場吉兆がよみがえることはないだろう。そしてその行為は、ブランドの失墜や、客への裏切りだけでなく、多くの人たちが築き上げてきた日本料理の文化すら危うくしたのだ。

(中略)


 一方、吉兆グループの他の店は売り上げが減り、嫌がらせのファクスも届いた。日本料理店の業界団体は「『お前のところもしていないやろな』と言われた店もある。日本料理界への打撃は大きい」と憤る。一業者だけの信頼失墜で済まないのが食品偽装の特徴だ。

 長い時間をかけて築いた文化すらぐらつかせた船場吉兆の事件は、それが顕著に表れたケースだった。一度失った信頼を取り戻すことは簡単ではない。そして、しっぺ返しを受けるのは自分たちだけではない。偽装に手を染めた事業者はそのことを肝に銘じてほしい。

==============

 ご意見は〒100−8051毎日新聞「記者の目」係kishanome@mbx.mainichi.co.jp

毎日新聞 2008年7月29日 東京朝刊


ssd666先生のところのコメント欄が秀逸だったので、はらせてもらう。

通りすがりですけど。 より:
2008 年 7 月 31 日 11:13 PM

◇崩れた「日本文化」への思い??業界の信頼回復、難しい
 日本の女性に対する事実無根、ねつ造に満ちた英文記事の垂れ流し、一方的なバッシング……。日本マスコミを代表するブランドが本当にこんなにひどいのか。どうしても自分の目でそれを確かめ たかった。今春、某巨大新聞社(東京都23区内、ひょっとして破産手続き中かも)の英文破廉恥記事ねつ造事件の担当になり、実際に読者として記事を読んでみた。そこには綿密な取材、斬新な視点、問題意識を持って取材対象を大切に思う記者さんやデスクの心意気があった。まさに日本の報道界で長年培われてきた新聞の文化。「やり直すことができるかも しれない」と思った。だがそんな淡い期待はもろくも崩れ去った。

(中略)

一方、グループの関連会社は売り上げが減り、嫌がらせのファクスも届いた。広告を出している会社は「『お前のところはもう出稿していないやろな』と言われた所もある。日本広告界への打撃は大きい」と憤る。一業者だけの信頼失墜で済まないのが記事偽装の特徴だ。

長い時間をかけて築いた文化すらぐらつかせた某巨大新聞社の事件は、それが顕著に表れたケースだった。
一度失った信頼を取り戻すことは簡単ではない。
そして、しっぺ返しを受けるのは自分たちだけではない。
ねつ造に手を染めた事業者はそのことを肝に銘じてほしい。


すばらしい。
「綿密な取材、斬新な視点、問題意識を持って取材対象を大切に思う記者さんやデスクの心意気」があるかどうかは別として…。