下級生の指導

手下を育てようという姿勢は大変素晴らしい。


ボキュは……うーん。

一歩下がって大きな観点でこの事柄をとらえなおしてみると、Sさんに課題を与えて、特別研究員に応募させて、論文書かせて、それらをサポートした人々の支援が目に入ってくる。でも、この視点は、一度、支援者としての立場をとらないと見えてこない視点だと思う。Sさんが他人の支援をしたことがあるのに、これがわからないのは問題だけど、他人を支援したことがないならば自分で気づくのは無理なのでしょうがない。

でも、この視点は複数人で協力して何かを進めていくときに重要な視点であるのでそれを教えようとしているPineTreeさんは偉い。

次に、他人への指導は自分自身の能力を高める良いチャンスではあるが、どのくらい指導するかは加減が重要であるということ。やりすぎても自分が疲れるのに、当の被指導者からは感謝はされない。むしろ、嫌われる。「馬を川辺につれていくことはできるが、水を飲ますことはできない」のことわざは真実。喉の渇きを感じさせないといけない。

一方で、指導をしなさ過ぎても自分が学ぶ機会を失うことになるのでもったいない。日本の大学院教育では、研究技術の伝承は上級者から下級者への口伝になりやすいと思う(研究に必要な技術をコースワークとして教えている大学院は少ないと思う)。そのような状態では、上級者の教えを自分の言葉で言い直す機会がとても重要である。