水中出産とカンガルーケアの是非
率直で好感が持てるエッセーだなあ。
もっとアグレッシブに「医療資源足りないんで止めてくだしあ」と書けばさらに良いと思うけど、まあ、その……。
- 作者: 小松秀樹
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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分娩(ぶんべん)台でのお産は、一番合理的と考えられているスタイルです。何が合理的なのかというと、合併症などが起きたときに一番対処しやすいのです。このスタイルは、産科学によって長い間かけて発達し、定着してきたものです。ただ、医師にとっては合理的でも、患者さんにとっていいかどうかは意見が分かれます。
分娩台でなく、もっとリラックスした形で自然に産みたいという患者さんが多いのも事実です。日本人ならではの畳の上や、水中出産など“自然なお産”は、病院で行う分娩台での出産に比べ、感染症などのリスクが高いのですが、このことを理解している方はあまり多くありません。
一時期、水中出産がマスコミでよく取り上げられたことがありました。僕は学校で、ヒトが魚から猿になり人間へと進化したことを学びました。せっかく進化して人間になったのに、あえて魚にまでさかのぼって水中出産するなんて、僕にはすごく不思議なことに思えます。
カンガルーのまねをする方法も盛んです。なぜ、日本でオセアニアの一哺乳(ほにゅう)類のまねをする必要があるのか? これについてきちんと勉強したことがない僕には分かりませんが、分娩後にいろいろなメリットがあることは確かなようです。