日本の科学技術行政は予算執行が硬直化していて大きな問題がある、という話

天漢日乗さん経由で知ったネタ。

  • 手続きが官僚的で同じコトをするのでも毎回大量の書類が必要になる(ことがある)
  • 短い期間(3年とか5年)で成果を出さないと予算が切られる
  • 担当官が3年程度で変わる
    • 既存のプロジェクトの予算が削られる
    • 思いつきで新プロジェクトが始められる


おこじょさんの記事あるいは山中教授の記事には書かれていない上に矛盾しているが、

  • 結果が検証されないので、表面上なんか成果が出てれば許されるため、予算執行がグダグダ
  • 官僚の行ったプロジェクトはチェックさえされない

というのもあるな。

日本の幹細胞研究に対する政府の態度には2つ大きな問題がある。まず、一つの幹細胞に関する実験のたびに500ページもの書類3部を提出しなければならない。これを書くのに1カ月、さらに政府の審査に1カ月、これでは英国のライバルがその間10回以上実験できてしまう。本気で競争しようと思ったら、研究者を一人首にして代わりに事務員を2人雇わなければならない。だからほかの研究者が、公務員仕事の代わりに実験に集中できるよう、幹細胞を人工的に作る方法を見つけたんだ。


それから日本の厚生省の気の変わりやすさ。長期研究を短い期間に押し込めたり、十分な資金を与えずに放置したり。問題は、事務官の長が3年ごとに変わることだ。新しい人が来るたびに、科学研究に足跡を残そうと新しい予算を立ち上げるが、科学的な根拠はなく思い付きだけで、すでにある研究プロジェクト(どんなに成功していても)から予算を奪ってしまう。基本的に、3年でプロジェクトが完成できなければ、あきらめろということだ。

歯に衣着せぬ明快なお言葉にしびれちゃいました。

ネタ元である天漢日乗さんでは「猫の目行政」と評している。

猫の目行政のせいで、
 日本では正当な研究の芽が摘まれる
というのは、大いに同意する。
 3年ごとに担当者が変わる
ことの弊害も、国立の研究所や大学にいたことがあれば、まず内部でみんなが経験する
 日本的障壁
である。