ポニョの真実

ポニョおもしろそう!
急に見たくなってきました。


単純極まりないお話ながら、いくらでも深読みできる内容。ポニョの父親がどう見ても人間なのはなぜなのか、津波被害の詳細はどうなのか、父親が作っている命の水とはなんなのか。全編謎に満ちているが、説明はあえて放棄されている。

これが何ともおさまりが悪く、押し寄せる波やあふれる古代魚、落ちてくる月、ポニョが過剰反応する謎のトンネル、老人ホームの人々など、死をイメージさせる要素があまりに多すぎて、個人的には異様な鑑賞後感を味わう羽目になった。「神経症の時代に向けて作った」というが、むしろこの作品こそがパラノイア的で気味が悪い。絵本調のパステルカラーによる妙に明るい雰囲気とのギャップがその思いに輪をかける。

そうした意味では、これを何の疑いもなくハッピーエンドのかわいらしいお話、と見られる人は幸福といえるだろう。