大野病院事件は一審無罪

いやー、二年半長かったなあ。

検察控訴しないといいなあ。

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大野病院事件、被告医師に無罪判決

 福島県立大野病院で2004年12月に帝王切開手術を受けた女性が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた当時の産婦人科医長、加藤克彦被告(40)に対する判決公判が8月20日福島地裁であり、鈴木信行裁判長は、無罪判決を言い渡した。


 また、異状死を24時間以内に警察に届けなかったとして、医師法21条違反にも問われたが、鈴木裁判長は、検察側の主張を退けた。

2chのスレも立った。

どーでもいいけど、明らかに予定稿だなw


 しかし逮捕で状況は一変。妻の出産に立ち会えず、患者のケアも不可能になった。保釈後も現場に復帰せず、休職を続けていた。

 主任弁護人の平岩敬一弁護士は加藤被告の近況について「謹慎に近い状態で、医学博士の学位を取るために自宅で研究を続けていた」と話す。

 今年5月に開かれた最終弁論では、加藤被告は「もし再び医師として働けるなら、もう一度地域医療の一端を担いたい」と希望を述べていた。

 一方、被害者女性の家族もまた、「無罪」を言い渡した裁判官を見据えながら判決に聞き入った。女性の父親は、祈るような形で手を組み合わせたまま、唇をかみしめ、判決理由に耳を傾けた。
 女性の父親や夫は1月の意見陳述で「この事件で、閉鎖的だった医療界が国民の関心の的になった。事件が開かれた医療のあり方や臨床の実態を考えるきっかけになることを願う」と希望した。

 同時に、「幼くして母を失った子供を見るとふびんになる」「夜中、突然目が覚めるという状態が続いている」「わが家の生活から笑顔が事件以来、無くなってしまった」などと、事件後に家族の生活が様変わりした苦しみを吐露し、加藤被告に対して厳罰を望んでいた。


うーん、出産時の事故は根絶できないんだから、妊娠しなければ事故も無いんじゃ。


判決の確定は今月末の 31日かな。

女性の父親は「何でこういうふうになったの。何の医療事故でもないよ、医療ミスでもないよ。ただの説明だけで、納得できなかったですね」と語った。


ミスではないだろうけど、不可避の医療事故とは言えるんじゃないかなあ。

 鈴木裁判長は、胎盤をはがしたことと死亡との因果関係を認め、争点となった大量出血を予見できたかどうかについては、「胎盤をはがす際に手を入れ、これ以上進めないと判断した時点で予見できた」と、検察側の主張通り認定した。

 しかし、胎盤をはがすのを途中でやめて子宮摘出手術に移って大量出血を回避する注意義務はなかったとした。


どう解釈すればいいんじゃろ。

 一方、亡くなった女性の父親、渡辺好男さん(58)は、最前列で傍聴した。主文読み上げの瞬間、驚いたような表情で鈴木信行裁判長を見上げた後、厳しい視線を加藤医師に投げかけた。

 渡辺さんは判決前、「なぜ事故が起きたのか、なぜ防げなかったのか。公判でも結局、何が真実かはわからないままだ」と話した。

 「何が起きたのかを知りたい」という思いで、2007年1月から08年5月まで14回の公判を欠かさず傍聴した。証人として法廷にも立ち、「とにかく真実を知りたい」と訴えた。「大野病院でなければ、亡くさずにすんだ命」と思える。公判は医療を巡る専門的な議論が中心で、遺族が置き去りにされたような思いがある。


「女性の父親」ばかり前面に出てくるな。ここに何かのキーがあるのだろうか。
まあ、しかし、民事にしろ刑事にしろ「真相解明」のための儀式じゃないからなあ。

エアコンは常時オン

研究室にエアコンを切って帰る人がいる。
常時稼働してる機材があるので、エアコンは常時動かしたい。
数ヶ月前に「エアコン常時オンにしてよ」と主張してコンセンサスが得られたかと思っていたのだが、やっぱたまに切って帰る。

なんで「常時稼働マシンやスイッチがあるからエアコンは常時オン」という主張をするだけで理解してくれないんだろ……。

モチロン別の部屋にサーバの台数集まってるんだけど、そうは言ってもやっぱ居室にも常時稼働マシンやらスイッチやらは溜まるわな。


まー、ある種の人々はサーバがホコリまみれでも室温35度でも気にしないってのは理解してるのだが、巻き添えにしないでくれ。

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「コミュニケーションはface-to-faceで」

メールベースが便利だと思ってるので、サーバ運営だの学生居室の雑事についてアレコレとメールベースでリクエストを出してると、「いや、face-to-faceでやろうよ」という人がいる。


まあ、別に face-to-faceでやってもいいけどさ、経験則によると、この手のリクエストを出す人と顔併せて会話しても時間かかるだけであんま良いこと無いんだよなあ。


「顔をあわせて話をしようよ!」と主張する人たちはドキュメントを書かないし、あとから第三者が情報を取得しようと思ってもアンドキュメントで手がかりが無く、口頭で聞いても情報が漏れていたりとかかなり効率悪い。


まー、なんていうか、「属人化は避けよう!」という概念がない人に何を言っても馬の耳に念仏だのう。

大野病院事件第一審判決要旨

まあまあ妥当なことが主張されている気がするなあ。

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福島県大野病院事件福島地裁判決理由要旨(1/2ページ)

2008年8月20日14時16分

 福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性患者が死亡した事件で、福島地裁が言い渡した無罪判決の理由の要旨は次の通り。


 【業務上過失致死】


 ●死因と行為との因果関係など


 鑑定などによると、患者の死因は失血死で、被告の胎盤剥離(はくり)行為と死亡の間には因果関係が認められる。癒着胎盤を無理に剥(は)がすことが、大量出血を引き起こし、母胎死亡の原因となり得ることは、被告が所持していたものを含めた医学書に記載されており、剥離を継続すれば患者の生命に危機が及ぶおそれがあったことを予見する可能性はあった。胎盤剥離を中止して子宮摘出手術などに移行した場合に予想される出血量は、胎盤剥離を継続した場合と比較すれば相当少ないということは可能だから、結果回避可能性があったと理解するのが相当だ。


 ●医学的準則と胎盤剥離中止義務について


 本件では、癒着胎盤の剥離を中止し、子宮摘出手術などに移行した具体的な臨床症例は検察官、被告側のいずれからも提示されず、法廷で証言した各医師も言及していない。

 証言した医師のうち、C医師のみが検察官の主張と同趣旨の見解を述べている。だが、同医師は腫瘍(しゅよう)が専門で癒着胎盤の治療経験に乏しいこと、鑑定や証言は自分の直接の臨床経験に基づくものではなく、主として医学書などの文献に頼ったものであることからすれば、鑑定結果と証言内容を癒着胎盤に関する標準的な医療措置と理解することは相当でない。

 他方、D医師、E医師の産科の臨床経験の豊富さ、専門知識の確かさは、その経歴のみならず、証言内容からもくみとることができ、少なくとも癒着胎盤に関する標準的な医療措置に関する証言は医療現場の実際をそのまま表現していると認められる。

 そうすると、本件ではD、E両医師の証言などから「剥離を開始した後は、出血をしていても胎盤剥離を完了させ、子宮の収縮を期待するとともに止血操作を行い、それでもコントロールできない大量出血をする場合には子宮を摘出する」ということが、臨床上の標準的な医療措置と理解するのが相当だ。

検察官は癒着胎盤と認識した以上、直ちに胎盤剥離を中止して子宮摘出手術などに移行することが医学的準則であり、被告には剥離を中止する義務があったと主張する。これは医学書の一部の見解に依拠したと評価することができるが、採用できない。

 医師に医療措置上の行為義務を負わせ、その義務に反した者には刑罰を科する基準となり得る医学的準則は、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性がなければならない。なぜなら、このように理解しなければ、医療措置と一部の医学書に記載されている内容に齟齬(そご)があるような場合に、医師は容易、迅速に治療法の選択ができなくなり、医療現場に混乱をもたらすことになり、刑罰が科される基準が不明確となるからだ。

 この点について、検察官は一部の医学書やC医師の鑑定に依拠した準則を主張しているが、これが医師らに広く認識され、その準則に則した臨床例が多く存在するといった点に関する立証はされていない。

 また、医療行為が患者の生命や身体に対する危険性があることは自明だし、そもそも医療行為の結果を正確に予測することは困難だ。医療行為を中止する義務があるとするためには、検察官が、当該行為が危険があるということだけでなく、当該行為を中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしたうえで、より適切な方法が他にあることを立証しなければならず、このような立証を具体的に行うためには少なくとも相当数の根拠となる臨床症例の提示が必要不可欠だといえる。

 しかし、検察官は主張を根拠づける臨床症例を何ら提示していない。被告が胎盤剥離を中止しなかった場合の具体的な危険性が証明されているとはいえない。

 本件では、検察官が主張するような内容が医学的準則だったと認めることはできないし、具体的な危険性などを根拠に、胎盤剥離を中止すべき義務があったと認めることもできず、被告が従うべき注意義務の証明がない。


 【医師法違反】


 本件患者の死亡という結果は、癒着胎盤という疾病を原因とする、過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果といわざるを得ないから、医師法にいう異状がある場合に該当するということはできない。その余について検討するまでもなく、医師法違反の罪は成立しない。

「捜査で産科崩壊」との声

14時からやっていたというシンポジウムの記事があんま出てないなあ。
jiji.comにもまだ出ていない。

Yahoo!に出ていた。

[rakuten:book:12762098:detail]

帝王切開事故、「捜査で産科崩壊」=医療シンポで批判の声?福島

8月20日17時37分配信 時事通信

 帝王切開死事故をめぐる無罪判決後、地域の産科医療にもたらした影響を考えるシンポジウムが20日午後、福島市内で開かれた。医療関係者ら150人が参加し、「捜査が医療を崩壊させた」といった厳しい批判が相次いだ。
 呼び掛け人の女性医師は、加藤克彦医師(40)の逮捕をきっかけに産科医の減少、分娩(ぶんべん)休止の病院が相次いだ福島県の崩壊現状を報告。医師免許を持つ弁護士は最近3年間で、医療事件で4件の無罪判決が出たことを指摘。「刑事事件になるかの線引きを確立することが、医師が安心して働くために必要」と提起した。
 一方、福島県医師会の小山菊雄会長は「加藤医師の行為はわが国の臨床医学における医療水準に照らし合理的かつ妥当な判断。可能な限りの医療を尽くしたことが認められた。安心して医療行為ができる状況になり安堵(あんど)した」とコメントした。